特典フィルムの焼きつけについて

最近アニメ映画の特典としてよくフィルムが配られますね

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こういうやつです(これは映画けいおん!

これ、結構持て余すやつなんですけど、インターネット見てるとカメラのキタムラとかに持ち込んで引き伸ばして貰ってる人がいるみたいですね。

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………これならブルーレイのキャプチャでもプリントした方がよくね?

カメラのキタムラとかに持ち込むと、多分フィルムスキャナでデジタルデータとしてスキャンした後にレーザー露光でプリントされます。家でインクジェットプリンター使うよりはテカテカ光沢が出ますね。でもそれならSDカードにブルーレイのキャプチャ放り込んでカメラのキタムラで……

せっかくフィルムを貰ってるので光学的に引き延ばしたいですね。そう思って少し調べてみたんですけどまとまった情報はありませんでした。なので調べて分かった事を少しまとめておこうかと思います。

特典フィルムの焼きつけについて

もう一度フィルムを見てみましょう。

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陰影が逆転してないのでポジティブフィルム(=リバーサルフィルム)です。上映用フィルムだから当然ですね。あと見れば分かりますけどカラーフィルムです。

これをスクリーンにそのまま投影すれば正しい絵が表示されるわけです。

写真屋で貰えた”ネガ”(ネガティブフィルム)とは逆ですね。あれはそのままでは鑑賞できません。

フィルムから光学的に写真を引き伸ばす際には暗室でフィルムを通した光を印画紙に当てればいい訳ですけど、普通にやるとこの段階で陰影が逆転します。(明るいところは暗く、暗いところは明るく)なのでネガティブフィルムは印画紙に引き伸ばしてやると正しい陰影に戻ります。

フィルムで写真を撮るときに一般的にはネガフィルムを使うのにはこういう理由もあります(他にも露光許容度が高いとかあるけど)

一方でポジティブフィルムを印画紙に引き伸ばすのは少し厄介です、そのままやると陰影が逆転して中野梓の白い太ももが真っ黒になります。

で、リバーサルフィルムを光学的に引き伸ばす方法ですが、まず店に頼めば出来そうです。リバーサルフィルムの光学的引き伸ばしは富士フィルムが「PRダイレクトプリント」と言う名称で行っていましたが、このサービス自体は今年の2月に終了してしまいました。

が、富士フィルムからPRダイレクトプリント用の機材を買っていて、まだ在庫があるプロラボとかはサービスを行っているようです

例えばこことか(http://camera-saijo.com/saijo_print/print_film.html

でもこのサービスは当然写真用のサービスでして、写真用のフィルムとは形の違う*1映画用のフィルムのプリントを請け負ってくれるかは店によると思いますし、請け負って貰えてもフィルムの切断などは大いにあり得ます。

 

 

でもどうせなら自分で焼きたいですよね、自分で焼きたくない?

個人で手焼きする場合ですが、まず大前提としてポジであれネガであれ個人でカラーの焼付けをするのは相当しんどいみたいです。セーフライトも使えない完全暗室で定着液の温度管理とかをしながらカラーフィルターを何枚も使ってカチャカチャしないといけないっぽいです。無理。

なのでモノクロで引き伸ばす方向で考えていきます、その方がクールだし。

リバーサルフィルムを焼き付ける場合に2つの方法があります。

1.引き伸ばし時に陰影が逆転しない特殊な印画紙に焼き付ける

2.ポジフィルムからインターネガというネガフィルムを作成して、そのネガを焼き付ける

まず1ですが、この印画紙が手に入らないようです。富士フィルムから「パンクロ」や「オルソ」という名前で出ていたようですが生産中止みたいです。

2.はいけそうです。恐ろしくニッチな需要なんですが、ポジフィルムからモノクロプリント用のインターネガ作成するサービスを行っている会社があります。

LabTAKE「http://www.labtake.jp/service_7.html

インターネガの作成は密着焼きなのでこれも光学的な方法ですね。ここを使ってインターネガを作成して、そのネガを手焼きで印画紙に焼き付ければデジタルの処理を一切噛まさずに引き伸ばしできますね。

 

結論

出来そう。面倒くさそう。

 

*1:一般的な写真用フィルム(いわゆるライカ判)は24mm×36mmなのに対して映画用フィルムは24mm×16mm